楽しむ気持ちを指標に

こんにちは。

こころの健康支援室 そらいろのmirineです。



先月末にようやく桜も開花し、いよいよ今年も新年度がスタートしました。

東京の桜は過去十年で最も遅い開花だったようですが、その分今年は桜に彩られた新年度のはじまりとなりました。

新生活がはじまった最初の週は、緊張したり、気負ったり、張り切ったりと、多くの人が新しい環境の中でたくさんエネルギーを使っていることと思います。

一日の終わりや週末には、ご自身のがんばりをしっかりとねぎらい、いたわることを意識しながら、ご自身にとって無理のない新生活のリズムを模索し、組み立ててあげてください。



とはいえ、新生活ははじまったばかり。

求められること、やらなければならないことがたくさんある中で、「無理のないペース」のことまで考えられないかもしれません。

しかし、年度始めに無理を重ねすぎると、今月末から来月頭にかけての連休以降に、五月病になってしまうこともあります。

これからのためにも、特に今月は、ご自身が無理を重ねてはいないか、注意深くご自身の様子を気にかけることが肝要です。



分かりやすい目安として、仕事終わりや週末等のご自身の自由な時間に、「趣味や好きなことを楽しもうという気持ちがわいてくるかどうか」を気にかけてみてください。

心身が消耗してくると、今まで楽しいと思ったことや好きだと思ったことに対して、以前ほど惹かれなくなることがあります。

身体の基礎代謝と同じように、心にも自身を平常に保つために最低限必要なエネルギー分というのがあるものです。

それが足りなくなると、いったん活動への興味を減退させて、必要なところにエネルギーを振り分けたり、足りない分のエネルギーを蓄えるモードに切り替わるのです。

この状態が続くと、エネルギーが不足した状態で動き続けることが当たり前になり、心は抑うつというさらにエネルギーを節約するモードに入ってしまいます。

新生活のリズムを、自分にふり分けるエネルギーを節約した状態をデフォルトとして組み立ててしまうと、抑うつ状態から容易に抜け出すことができなくなります。

次第に、身の回りを清潔に保ったり、自分を快適にするための行動を億劫に感じるようになり、それでも無理を続けると、何のために生きているのか分からなくなってしまうのです。



人は環境から完全に独立して生きていくことはできません。

地球上のどこかに居場所を得て、同じ場所を共有する存在たちと共存するために適応することが必要です。

しかし、適応を優先しすぎて自分自身のことを後回しにし続けると、必ずどこかでそのしわ寄せがあらわれてきます。

置かれた新たな環境へ適応することと同じくらい、ご自身の心身を健やかに保つことも大切なことです。

環境は選択と行動によって変えることもできますが、一度損なった心身の健康を取り戻すことは時に非常に難しく、すっかり健やかな状態に戻ることができなくなることもあるからです。



御身大切に、新年度が皆さまにとってよいスタートとなりますように。



かしこ

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