「体験」を成長に資する「経験」に

こんにちは。

こころの健康支援室 そらいろのmirineです。



6月がスタートし、今年の前半も残り一ヶ月を切りました。

今月21日に夏至を迎えると、これまで長くなるばかりだった日中の時間も少しずつ短くなっていきます。

一年の折り返しを目前に、一度今年前半の棚卸しをしてみるのもいいかもしれません。



仕事や学業、家事等、種々雑多な体験がつめこまれながら、一日という時間はあっという間に過ぎていきます。

渦中にいる時は、臨機応変に行動しなければならない「体験」も、過ぎた後は「経験」として、知識や能力を広げ、人間性を深める種とすることができます。

しかし、ただ「体験」を積み重ねたら「経験」になる、というわけではないようです。



体験している最中は、刻々と変化する状況にアンテナを張りながら、何をどうすれば良い結果を導けるのか考えながら行動しています。

そのため、意識は自分の「外側」で起こっている出来事の方を向いています。

一方で、過去の体験を「経験」にする、つまり自分の成長に役立てようとすると、意識は「内側」に向けなければなりません。

過去の体験からどんな能力を身につけ、何を学んだのか、人間性を深め、自分を成長させるために体験を役立てるためには、体験のその先に自分自身との対話が必要なのです。



しかし、「一億総活躍社会」を標榜する現代日本では、一日を体験でいっぱいにすることはできても、積み重ねた体験を経験にして生かすための時間を確保することが難しいと感じられる方も少なくないのではないでしょうか。

つまり、外側に向いた意識を自分の内側に向けて、自分自身と十分に対話をする時間が圧倒的に足りないのです。

その時々に起こる出来事に対処するばかりで、一日一日の「体験」を、自分の内側を満たし成長させる「経験」の種として発芽させることができないのです。

積み重ねた体験も時間も、ただ積み重ねただけ、過ぎただけになってしまいます。



それでも、日々のさまざまな体験から、自分が何を知り、何を得て、何をこの先の人生に生かすことができるのか、整理し、自覚し、体験を経験としてご自身の成長の糧としていくためには、ご自身との対話は欠かすことができません。

ぜひ、一日にほんの数分でも、ご自身のことをふり返るための時間を確保することを習慣づけてあげてください。

たとえ短い時間でも、外側にばかり向いていた意識を自分の内側に向ける練習を続けることで、少しずつ自分の内側の動きや変化に気づきやすくなっていきます。

意識の目が外側を向いてばかりでは、内側の世界の広がりも可能性も知ることはできません。

それでも、外側の世界とかかわる起点はいつも自分自身なのです。



あっという間に過ぎてしまう一日も、限られた寿命のうちの一日です。

一日一日の「体験」を「経験」として積み重ねて、ますます実のある人間として成長を重ねていきたいですね。



かしこ

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