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日本ではまだあまり研究されていませんが、アメリカでは感情の感染について研究が進んでいるようです。 専門的には「情動伝染」「情動感染」と呼ばれます。 感情が感染する、伝染する、というと言葉が少し不穏に感じられるかもしれませんが、他の人の感情に影響を受ける経験は、どんな人にも覚えがあるものではないでしょうか。 他者がぶつけてくる感情はもちろんですが、他者が持っている感情にも人は影響を受けているようです。 感情のメカニズムはまだ完全に解明されたわけではありませんが、外界からの情報を受けて生じる身体的な反応と、それらの情報を判断する認知機能とが連携して働きながら感情という心の動きを生んでいると考えられています。 身近な他者が不安定な状態であることを察知するとこちらもストレスを感じ、逆に安定した状態であることを感じとるとこちらもリラックスした状態でいることができます。 こうした共感機能は、脳のミラーニューロンという神経細胞の働きによるものと考えられています。 感情は自分だけのもので、言葉や態度で伝えたりぶつけようとしない限り自分の中にとどまるものと思われるかもしれません。 しかし、自分の中にある感情は、無意識の態度や身体の反応に表れて、周りの人たちは自分が思っているよりずっと敏感にその変化を察知し、影響を受けているのです。 そして、自分もまた周囲の他者のそうした微細な変化をキャッチして、影響を受けています。 一緒にいると安心する人、気持ちが楽な人というのは、感情が安定していてポジティブな情動伝染の影響でそう感じられるのかもしれません。 逆に一緒にいるととても疲れたり、一緒にいることが億劫に感じる人は、感情が不安定でネガティブな情動が伝染することでそう感じられるのかもしれません。 感情が感染しあうということは、心を安定した状態に保つことが自分自身だけでなく他者に対してもいい影響を与えうるということです。 誰でも、心の状態が不安定な人のそばにいるよりも、心の状態が安定した人と一緒にいたいと感じるものです。 自分の心の状態を健康に保つことは、自分自身だけでなく、周囲にいる他者にもいい影響を与えることができるのです。 情動伝染の研究はまだ途上ではありますが、心の健康を保つということは、自分にとってだけでなく周囲の身近な人たちにとっても重要な意味を持つものと言えるようです。 心が安定していること、心が健康であることがもたらすものは、自分で思うよりもずっと大きなものなのかもしれません。
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