心の動きは止まらないと見えない

こんにちは。

こころの健康支援室 そらいろのmirineです。



今週はゴールデンウィーク並の気温からはじまり、真冬の気温に逆戻りと、体調管理の難しい天気が続いていますね。
花粉症もいよいよ本番の時期です。

どうぞ皆さまご自愛なさってお過ごしください。



季節が冬から春に移り変わると、どこかそわそわ動きたいような気持ちになる方も少なくないかもしれません。

人間も、地球に暮らす生き物ですので、季節の移り変わりに影響を受けています。

冬は、多くの生き物が大きな動きを止め、エネルギーを蓄え節約する季節である一方、寒さがゆるみ日差しが温もるにつれて少しずつ動き始めるのが春です。

日が長くなり、冷たかった空気がゆるみはじめると、人の心もなんとなく浮き足立ってきたりします。



外の世界のいろいろな刺激を受けて、自分の身体の微細な変化を感じとって、心の状態は時々刻々と変化していきます。

多くの人と同じような動きをすることもあれば、そうでない動きをすることもあります。

心の動き方が大きい人もいれば小さい人もいます。

心の変化に敏感に気づく人もいればあまり気がつかない人もいます。

心の状態は行動ににじみ出てくるので、自分では気づいていない変化を周りの人が先に察知しているということもあるかもしれません。



あれもこれもやらなければならないことがあったり、考えなければならないことがあったり、そういうことが一つ終わってもいくつもいくつも続いたり…。

そうしたことは、現代の生活では日常茶飯事です。

さまざまなタスクに、時には複数を同時進行で取り組まなければならないことも珍しいことではありません。

しかし、人間の意識は、外を見ながら同時に内側を見ることはできません。

外側の世界にかかりきりになっている時は、どうしても内側の世界の把握がおろそかになってしまいます。

そして、きちんと把握できていてもいなくても、さまざま刺激を受けて心の状態はくるくると変化しています。



心の状態を把握するために自分の内側の世界に意識を向けようとすると、どうしても外側の世界のことは一度ストップすることになります。

もちろん、内側に目を向けている間の一時的なことですが、心の状態を把握するには、何もしないで自分の心と向き合うための時間と場所を確保することが重要です。

他のことのために意識があっちこっちに動いている状態で心の動きを捉えようとすることは、自分もあっちこっちに動きながらちょこちょこと動き回る小鳥を捕まえようとするくらい難しいことです。

一度動きを止めて、小鳥にじっと意識を集中しないと捕まえるのが難しいように、くるくると変わる心の動きを捉えるには、動きを止めて心に意識を集中する必要があるのです。



自分の心がどんな刺激にどんな影響を受けどんな風に動くのか。

自分の心の動きが分かると、本当にしんどくなってしまう前にテコ入れしたり、適切なケアをすることも可能になります。



一日のうちに一分でも二分でもかまいません。

外側のタスクについて考えることも、他の何かをすることもいったん止めて、自分の内側の世界に目を向けるように意識してみてください。

時間は短くても、それを積み重ねていくことで、自分の心の動きに少しずつ気づけるようになっていきます。

一度で小鳥は捕まえられなくても、じっとしてよく観察することを重ねていけば、小鳥のことが少しずつ分かってきます。

同じように、自分の心の状態をじっとしてよく観察すること、それを積み重ねていくことが、自分の心のことを理解するために必要なのです。



少しの間じっと止まって、心の動きをながめてみてください。



かしこ

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