こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。
新生活最初の一週間も半分が過ぎました。
コロナ禍の中、ままならないことも多いかと思いますが、一週間のルーティンの輪郭が少し見えてきた頃合いでしょうか。
新しいこと続きの一週間は、ご自分で思っているよりずっと心身ともに疲れているのではないかと思います。
今週末はしっかりと心身を休めて、ご自身をいたわってあげてください。
「居心地」というと、場所のことを表すように思いますが、「居心地のいい」で検索すると、「居心地のいい人」「居心地のいい男性/女性」に関する記事がずらっと並んで表示されました。
Weblio辞書によると、「居心地が良い」とは、「その場にいることで良い気分になるさま。 窮屈な感じがせずに安楽でいられるさま、楽しんでいられるさま」を表すそうです。
その場所にいて感じる気持ちを表す言葉だった「居心地」が、人と一緒にいる時に感じる気持ちを表す言葉へと変わってきたのは、社会的な生き物である人ならではの変化というかんじがします。
ネット上に「居心地のいい人」という記事がたくさんあるのも、窮屈な思いをしたり、穏やかな気持ちでいることのできない人間関係に悩む人が多いということの裏返しなのでしょう。
一緒にいて居心地のいい人というのは、とてもありがたいものです。
そんな人にそばにいてほしいと思ったり、自分もそんな人間でありたいと思う人も少なくないのではないかと思います。
一方で、ネット検索で出てくる記事をいくつか読んでみると、「居心地のいい人」は「都合のいい人」とも言い換えられるように感じてしまいます。
穏やかで笑顔が多く、空気を読んで感情を慰撫してくれて、余計なことはしないけれど必要な世話を焼いてくれる、etc., etc....。
感情を逆なでするようなことをせず、心地いいものを与えてくれる人は、当然「居心地のいい人」になるでしょう。
自分の都合を叶えてくれる相手は自分にとって「居心地のいい人」かもしれません。
しかし、相手にとって自分は果たして「居心地のいい人」と感じられているでしょうか?
自分の都合を叶えてくれる「居心地のいい人」を求めているということは、自分で自分の都合を叶えずに他者にそれを求めているということでもあります。
自分以外の誰かに、自分を心地よくしてほしいということです。
しかし、どうすれば心地いいのか、どうしなければ心地いいのか、どういう状態が心地いいのかということは、外側から完璧にうかがい知ることはできません。
言葉を尽くして説明しても伝わりきらないかもしれないですし、誰かに言葉で説明するためには、そもそもその人自身が、自分がどうしたら心地よくいられるのかをよく理解していなければなりません。
自分を最も心地よくできる存在がいるとすれば、それはきっと自分以外にいないのです。
居心地のいい人を求めたり、誰かにとって居心地のいい人になろうとするよりも、まず居心地のいい自分の在り方を知ることが、望ましい人間関係を築く基礎になるように思います。
心穏やかで、自分で自分の世話をすることのできる状態でいるために、何が必要で、何が不要で、どうすればいいのか。
そもそも、自分は今どんな状態なのか。
自分を居心地よくするにはどうしたらいいのか。
自分の感覚や感情、思考、行動を丁寧に取り上げて向き合っていくと、自分を心地よくする方法が少しずつ見えてくると思います。
居心地のいい自分の在り方を知っている人は、一緒にいて居心地のよくない人よりも、居心地のいい人との関係をより大切にするようになります。
自分が何を求めていて何を必要としているのかをよく分かっている人は、むやみやたらと人を頼みにしなくても、自分でできることは自分で解決し、必要な時には必要な助けを求めることもできるようになります。
結果として、望ましい人間関係を築けるようにもなるでしょう。
居心地よくしてくれる誰かを待つより、誰かにとって居心地のいい人になるより、まずは自分で自分を居心地よくできるようになることが、望みを叶える一番の近道なのかもしれません。
かしこ
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