こんにちは。 こころの健康支援室 そらいろのmirineです。 しばらく東京は雨や曇りが多かったですが、ようやく秋晴れが戻ってきました。 各地で続々と紅葉も見頃を迎える頃合いということもあって、写真を撮りたくなる機会も増えそうです。 携帯電話にカメラ機能がついて以降、スマートフォンに搭載されるカメラの性能はオマケのレベルをはるかに超えて、今では素人でも素敵な写真を撮ることができるさまざまな機能まで標準で搭載されています。 折々にお手持ちのスマートフォンで写真を撮っていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。 私自身、こちらのブログやインスタグラムにアップしている写真はスマートフォンで撮っています。 スマホネイティブ世代にはあたりまえのことに感じられるかもしれませんが、すごく便利になったなぁと思ってしまいます。 スマートフォンで写真を撮る時、同じ被写体をモードや設定を変えて何度も撮影することはないでしょうか? 私は、たとえば料理を撮る時等は、少しずつ構図や焦点、モード等を変えて3枚撮るようにしています。 知識がないので細かい設定の変更はできないのですが、焦点を合わせる場所を変えるだけで、明るく写る場所と暗く写る場所が変わり、それにともなって全体の色味も変わって見えるからです。 同じ被写体を撮った写真でも、どの向きから、どんな構図で、どこに焦点を合わせたかで、切り取られた写真の見え方、印象がまったく違って見えることもあります。 ご自身で写真を撮られる方は、そうした違いによる見せ方もよくご存知かもしれません。 こうした見え方の違いは、写真に限ったことではありません。 普段私たちが物事を認識する時にも、カメラで被写体を撮る時のように、物事の一部(一面)を自分好みの見え方で切り取って認識しているものです。 焦点を合わせたところが浮き彫りに、そうでないところが背景のようにぼやけて、切り取り方によってはある一部だけを全体のように受け取ったり、逆におおまかに全体を把握して細部を見落としたりしながら、「〇〇とはこういうもの」と認識している。 それが違和感なく受け止めやすいものであればあるほど、自分が見ているものに疑問を持つこともあまりないかもしれません。 スマートフォンのカメラでは、画面の焦点を合わせたいところをタップすると、ピントがそこに固定されます。 それと似たような感じと言えるかもしれません。 たとえば、一日のうちにどんな人もいいこともあれば悪いこともあるでしょう。 一日ではぱっと思いつくほど特別いいことも悪いことも起きなかったとしても、一ヶ月の間にはたいてい、大小はあれどいいこともあれば悪いこともあるものです。 この一ヶ月の間に、どんないいことがあってどんな悪いことがあったか、思い出して書き出してみたとします。 書き出したうちのどれくらいを元から覚えていたでしょうか? 元から覚えていた出来事は、おそらくすでに焦点の合っていた出来事です。 そういえばそんなこともあったと思い出して書いた出来事は、どんないいことがあったかな?どんな悪いことがあったかな?と、「いいこと」や「悪いこと」にピントを合わせたことで、記憶の中から浮き彫りになった出来事です。 元から「いいこと」にピントが合っていた人はいいことをたくさん書けたかもしれませんし、元から「悪いこと」にピントが合っていた人は悪いことを書く時はすらすら出てきたかもしれません。 ここで重要なのは、どこにピントが合っていたかによって、一ヶ月の受け止め方がおそらく大きく異なっているだろうという点です。 「いいこと」にピントが合っていた人にとってはこの一ヶ月はいい月と感じられるでしょうし、「悪いこと」にピントが合っていた人はついてない月だったと感じられているでしょう。 特別「いいこと」にも「悪いこと」にもピントが合っていない人には、可もなく不可もない、普通の一ヶ月だったと感じられるでしょう。 どこにピントを合わせるかで写真の出来映えや印象が変わるように、物事の受け止め方も、どこにピントが合っていたか、合わせていたかによって、感じ方がガラッと変わることもあるのです。 スマートフォンのカメラでも、一度合った焦点を変えるには別のところをタップしなければ変わりません。 物事の受け止め方も、何もしなければいつも通りのポイントに焦点を合わせて認識してしまうものです。 真ん中を図として見ると壺に、左右を図として見ると向き合う横顔に見える錯視のように、図と地を反転すると2種類の絵が見えると分かっていても、一度見えた図をなかなか地に反転させることができないこともあります。 それでも、異なる見え方があると知らなければ、今の自分の焦点が固定されていることにも気づかないかもしれません。 同じ物事であっても、今の自分に見えているのとは違う見え方、違う面があるかもしれない。 ふとした拍子にピントが変わると、まったく違う世界が広がるのかもしれません。 かしこ
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