こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。
10月も半分が過ぎました。
2桁月に入ると、一年もいよいよ終盤といった気配です。
毎月セミナーやワークショップを開催していた頃は、この時期になるとNLPの「ディズニー・ストラテジー」というワークをよくやっていました。
ディズニー・ストラテジーは、ウォルト・ディズニーが用いていた方法を元に体系化したNLPの技法です。
ディズニーは、アニメーションへの夢を抱いた時、三つの部屋を用いて現実化へのステップを明確化していたそうです。
自由に空想をふくらませ、夢を語る「夢想家」の部屋。
夢想家の描く夢を実現するために何が必要かを考える「現実家」の部屋。
夢を実現する上で問題がないかどうかを指摘する「批評家」の部屋。
ディズニーは、それぞれの部屋でそれぞれの役に徹することで、今も世界中で多くのファンを魅了するキャラクターやストーリーを生み出しました。
夢や望みを元に、実現のための方法や問題点を考え、実行に移す、という流れは、ディズニーだけでなく古今東西どんな人も普通に用いている方法でしょう。
なぜ、ディズニーの方法が画期的で、大きな成功をもたらしたのでしょうか?
通常、人が物事を考える時、一つのことに集中しているつもりでも、思考は次々と流転していきます。
「こうしたい」「こうなりたい」という夢を思いついたと思ったら、当然実現のための方法を考えます。
一つ方法を思いつくと、その問題点も見えてきます。
あれはこの点でダメ、それはあの点でダメ、と考えているうちに、最初の夢はぐんぐんしぼんでいきあきらめてしまうことも少なくないのです。
まるで夢想家が夢の種を発芽させたところで、現実家と批評家がすぐさま芽を摘み取ってしまうかのようです。
ディズニーの画期的なところは、夢を大きくふくらますことと、現実的な方法を考えるところと、問題点を指摘するところとを明確に分けたところです。
アイディアの種ができるだけたくさん芽吹くように、実験のように実現のためのさまざまな方法を生み出せるように、問題の指摘が夢をつぶすためではなく実現させるために生きるように、それぞれに専念する部屋を用いたのです。
夢は突拍子がなかろうと、現実的でなかろうと、どんどんふくらませることが必要です。
大きく広がった夢の中にこそ、常識や前例にとらわれない新しいアイディアが芽吹くからです。
しかし、夢をふくらませるだけでは、現実にすることはできません。
こうすればできるんじゃないか、こうしたらうまくいくんじゃないかと、いくつもの方法を考え、実際に実現する上での問題点を明らかにすることができて初めて、夢を現実にすることができるようになります。
もちろん、ディズニーのように三つの部屋を用意することは難しいため、NLPでは椅子等を使って代用します。
それぞれに専念するポジションを作り、意識の切り替えを図るのです。
十分な場所が確保できない時は、色を変えた紙や、別々のノート等を作るのも効果的です。
日常の生活の中で、現実家や批評家になることはあっても、夢想家に徹する時間というのは、実はとても少ないのではないでしょうか。
実現できるかどうか、常識的かどうか、前例があるかどうか、そうしたあらゆる大人の事情を抜きにして夢を描いていいとしたら。
そうして描いた夢の中に、ディズニーのように多くの人の心を彩るアイディアの種が眠っているかもしれません。
かしこ
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