大丈夫?って言わないで

こんにちは。

こころの健康支援室 そらいろのmirineです。



10月に入り、まだ暑さは残るものの、ようやく夏よりは秋だなぁと思える、さわやかな空気になってきました。

二桁月に入り、一年の締めくくりも視界に入ってくる頃合いになりました。

暑さが長く続いたこともあり、なんだかついこの間まで夏だったのに、もう年の瀬が近いような不思議な気分になってしまいます。

いよいよこれから秋も本番。

皆さま健康で、実りの多い季節となりますように。



私個人としては、相変わらず「読書の秋」が続いております。

成長する中で積み重なったsmall-t(小さなトラウマ)は、自覚がないだけに根深く、自分で思うよりも大きな影響を及ぼしていることを実感しています。

小さな頃のあれこれが、今もこれほどに影響を持っているのかと驚くと同時に、あの頃の自分にとってどれだけしんどい負荷だったのかと、それをずっと無意識に押し込めて、気づかず、いたわらず、癒やさずにきたのだなぁと、申し訳ない気持ちにもなります。



小学校低学年の頃、体育の時間か何かの時に、校庭で転んでひざを擦りむいてしまったことがありました。

それほどひどい傷でもなく、お転婆で、擦り傷は日常茶飯事だったこともあり、そのままなんでもないように保健室に行くつもりだったのですが、クラスメイトの子に「大丈夫?」と声をかけられた瞬間、急に涙がこぼれてしまったのです。

私が痛くて泣いたと思って、周りにいた他の子たちも「大丈夫?」と気にかけてくれたのですが、私は「大丈夫」と返しながら、心の中ではクラスメイトたちに「大丈夫?って言わないで」と思っていたことを覚えています。

あの時の自分は、こんな傷なんでもなかったはずなのになんでか泣いてしまった自分に対する困惑と、泣いてみんなを困らせちゃいけないから早く泣き止まないと、という気持ちで、たしかそそくさとみんなのいるところから保健室に向かったように思います。

今思えば、擦りむいた傷はたいした傷ではなかったけれど、不意に投げかけられた「大丈夫?」と私を気にかけてくれた言葉に、私の中であと少しであふれそうなコップみたいにぎりぎり保っていた、大丈夫じゃなかった心が反応してしまったのでした。



本を読みながら、他にも子どもながらにハラハラしながら心配していたことや、不安で眠れなかったこと等を思い出しました。

子どもの世界は狭く、自分だけでは力の及ばないこともたくさんあるため、きっと誰でも多かれ少なかれ似たような気持ちを抱いた経験はあるかもしれません。

もし、それを自分一人の胸の内におさめて堪えていたのだとしたら、それはもしかしたら、子どもには少し重すぎる荷物だったかもしれません。



自分が背負っているもの、背負ってきたものに気づかないと、下ろすこともできません。

気づくことも、時にしんどいこともあるかもしれませんが、少しずつでも、自分自身を気にかけて、いたわって、重荷を減らしていけるといいですね。



かしこ

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