あなたは、あなたのもの

こんにちは。

こころの健康支援室 そらいろのmirineです。



先週は選挙期間中にショッキングな事件があり、気持ちが不安定になった方もいらっしゃったかもしれません。

犯人が、「特定の宗教団体」への恨みを動機として語ったこともあり、「特定の宗教団体」とされる世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関する話題がテレビ・ネットを問わず席巻しています。



統一教会やオウム真理教等、カルト宗教の怖さというのは、もしかしたら今の若い人たちはあまりピンとこないことかもしれません。

それでも、大学のサークルや昔の友人との再会は、宗教やマルチに気をつけろ、と忠告されたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それくらい、一見普通の人たちが、他者を巻き込む形の宗教やマルチ商法にはまっていて、時に本人も心からそうすることが親切だと思って勧誘してくることがあるのです。



コンプレックスや漠然とした不安をつついて「こうすれば大丈夫」「こうしないと悪いことが起きる」と、安心と不安を行ったり来たりさせて依存させたり、「他の人が知らない真実(もしくはうまいやり方)を自分は知っている」という特別感や優越感を味あわせたり、他者を「正しい」方向へ導くという使命感や正義感を焚きつける等の手口を使って、多くの人を利用しようとするのは、カルト宗教だけではありません。

本来、心の安定や自信、自分という存在に対する肯定感等は、自分自身としっかりと向き合って、自分の力で涵養しなければならないものです。

そういった、存在の根幹を支える部分を安易にもたらしてくれる他者に委ねてしまうと、その他者の存在がなくては自分を保てなくなってしまいます。

最終的には、自分にメリットもないどころか損にしかならなくても、その他者に尽くしたり、守ったり、崇めたり、「はまって」しまうのです。



人は、不安定な状態に留まるより、手っ取り早く不安定を解消してくれるものをつい求めてしまうことがあります。

実際、自分自身と向き合う過程は、時にしんどく感じられることもあります。

それでも、自分の手綱を自分でとらなければ、よからぬ思惑を持った誰かに手綱を奪られてしまうこともあり得るのです。



自分自身と向き合う、というのは、これまで避けてきた人ほど難しさと、時に怖さも感じられるかもしれません。

カウンセリングは、他者ではなく、自分が自分の主となるように、クライエントの方が自分自身と向き合う過程をサポートします。

時にあなたを大切にしてくれる身近な人たちや、必要であれば専門家の力を借りながら、少しずつでもご自身と向き合い、あなた自身をあなたのものとしていくことが、カルト宗教のような存在を遠ざける一番の近道かもしれません。



かしこ

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